『青天好日』





久しぶりに感じる強大な妖気だった。
それも、村の方向。
遠出からの帰り道、ふたりで歩いていた長閑な空気に一本の緊張が走る。

「何者かしら、こんな妖気……」
背に乗せたかごめの声には不安が混じっていた。
数多の戦いをくぐり、様々な妖怪と対峙し、命の危険に幾度もさらされてきたせいで度胸はある方だ。
いや、かなりある。
あるいは元々の素養なのか。
初めてこの世界へ来たとき、封印されていた明らかに人でないものに対して警戒心より耳を触りたい好奇心が勝ったくらいなのだから。
それどころか、あの殺生丸に危うく毒で溶かされかけた直後、鉄砕牙を向けて啖呵を切ってみせた。
(――だいぶ変わったよな、あいつ)
犬夜叉は、その頃からは想像できないほど見る機会が増えた兄の横顔を思った。
冷たいのも無愛想なのも相変わらずだが、凍らせた刃のような鋭さは徐々に取れてきたような気がする。
自分を見る目も、憎悪と侮蔑ではなくなっていると思うのは願望だろうか……。
そこまで至ったところで犬夜叉は激しくかぶりを振った。
「わっ!? ちょっ、どうしたの?」
「や、なんでもねえ」
(くそ、どうでもいいじゃねえかそんなこと)
兄を思うという行為に負の感情が伴わない、その事実にはなんとも説明のつかない決まりの悪さとむず痒さがついて回り、犬夜叉は未だ慣れない。
つい、誰にともなく言い訳をしたくなってしまうのだ。
今も言い聞かせるように自分に悪態をつき、だんだん近くなる妖気の方へ意識を集中させた。
そうだ、滅多なことでは物怖じしないかごめが緊張するほどの妖気なのだ。
心を飛ばしている場合ではない。

視界の先に田畑が現れはじめたところで前を走る後ろ姿が見えた。
今日は確か、楓と近くの村へお祓いに行くと言っていた。
ひとりで事足りるのだが、どうしても楓に来てもらいたいという話だったらしい。
「弥勒!」
「弥勒さま、楓ばあちゃんは……」
「お祓いの方を頼んできました。大した相手じゃなかったですし」
「ま、その方がいいだろうな。珊瑚は村か?」
「だと、思うが……」
語尾には危惧が滲み、眉間には皺が刻まれている。
今も腕は落ちていない珊瑚だけでも心配だというのに、幼い子供たちも、村人たちもいるのだ。
犬夜叉と並んで走れるほどの足だが、もどかしいに違いない。
「血の臭いも瘴気もねえから、まだ無事なはずだ。――にしても、このにおい……」
「知ってるのか?」
いや、とどこか歯切れの悪い返答になり、横と後ろで怪訝な顔をされる。
知っている、とは少し違う。
ただどこかで嗅いだことがあるような、誰かに似ているような、でもそれ以上辿ることを本能がやめろと言っているような、とにかく落ち着かない気分だった。
とはいえ、普通は人里に下りたりしないこんな妖気の持ち主が村に、そうでなくともごく近くにいるのだ。
殺気や邪気は今のところ感じないが、おそらく鉄砕牙を振るうことになるだろう。
腰に差した刀の慣れた重みを意識しながら、犬夜叉は話を転じた。
「それより、りんも村か?」
「ああ、そのはずだ」
「くそっ……――見えた! あれだ!」
妖気の主は、やはり村にいた。
中心から少し外れた、ひらけた場所だ。
村人の姿はないから家の中だろう。
ひとり、珊瑚だけが小袖姿のまま飛来骨を手にしていた。
「珊瑚!」
弥勒が叫ぶ。
間に合った、すぐに加勢しなければ。
……しかし何かおかしい。
確かに緊迫してはいるのだが、切迫感といったものがない。
加えて、このにおい。
胸の裡で理由も判らない警鐘が激しく鳴り響く。
犬夜叉はそれを振り切り、かごめを下ろして弥勒と珊瑚の前へ立った。
「みんな……!」
ちらりと認めた珊瑚の表情からは安堵が見て取れたが、戸惑いも同じくらい大きいようだった。
敵かどうか、はかりかねているらしい。
理由は明白。
「やっと来たか」
佇む相手の声は気怠げだった。
目の前の現実は、もうごまかしようがなかった。
だが、それでも。
「……てめえ、何者だ?」
「何故私が名乗らねばならぬ」
艶のある澄んだ声音がにべもなく言い放つ。
容貌やそれの持つ色彩、妖気、におい、そしてこの物言い。
まさか。
いや待て、そんなことがあるわけない、そんな話聞いたことない。
でも聞いてないってことは、そういう可能性がないという理由にはならないのか?
だとしても、一体どっちだ。
なんで、ここに。
犬夜叉は混乱していた。
突きつけられた一つ一つの要素から導かれた結論を、無理にでも拒まずにはいられなかった。
更に逆撫でするように、後ろがひそひそとざわめきだす。
「ねえ、ちょっと……似てない?」
「かごめちゃんもそう思う?」
「偶然とは思えませんね」
すぐ脇にいたはずの弥勒もいつの間にか下がって会話に参加している。
「でも、何しに来たのかしら」
「会いに、ではないですか?」
「会いにって……法師さま、誰に?」
「そりゃー……」
もう限界だった。
「っいい加減にしろおまえら……!」
何かが弾けてしまいそうになるのを、犬夜叉は拳を震わせることで辛うじて堪えた。
そこに平坦な声が降ってくる。

「煩い」

その一言に、四人の動きが止まった。
正確には動けなくなった。
発せられる妖気が強まり、その圧力に身体がこわばり、手も足も弛緩し、だが崩れそうになるのを皮膚に突き刺さる妖気が許さない。
五感がすべて、眼前に立つ存在に支配されている。
こんな感覚は初めてだった。
同時に、おそらくこれでも力は爪の先ほども出していないのだろうことも判った。
「少し黙れ」
かすかな衣擦れの音と共に妖気の主はゆっくり足を進める。
高圧的な言葉とは裏腹に、その所作は優雅そのもの。
結われた長い髪が揺れる様すら完璧な線を描き、眩い光をふりまいた。
このような状況でなければ、ここが日々暮らしている村であるなど忘れて極楽浄土と錯覚するほどの麗容。
赤い唇はうすく笑ってさえいた。
しかし、その笑みが却って言い知れぬ怖ろしさを醸している。

歩みはまっすぐ犬夜叉へと向かい、真正面で止まった。
あまりの近さに身体を退こうとしても、筋一本動かせない状態は依然続いたままでどうしようもない。
そのうえ顔を近づけられてしげしげと観察される。
冷たい汗が背を伝った。
犬夜叉にはとてつもなく長く感じられた拷問のような一時の後、彼女は物憂げに息をつき、そして。
「つまらん」
そう、宣った。

想像していたものと類する台詞。
胸にしばらく味わっていなかったかすかな疼痛がちくりと刺す。
けれど続けられた言葉は、予想とはかけ離れたものだった。
「父親のほうに似たか……母親に似ればよかったものを。それならまだ面白かったろうに」
まったくつまらん、ともう一度繰り返した。
意味がよく理解できない。
蔑んで言ったんじゃないのか?
それとも父に似る資格なんかないということか?
(でも面白いってどういう……つうか、親父の顔なんか殆ど憶えてねえんだよこっちは!)
――待て。
それよりこいつ、今なんつった?
母親に似ればよかった……?
それはつまり……?
犬夜叉の混乱は頂点に達していた。
とどめを刺したのは、今はよく知る少女の声。

「ごぼどう、さま……?」

声を辿って唯一自由になる視線を左に滑らせると、森へと続く小道から少女が歩いてきた。
背負った篭からして、薬草畑へ行っていたのだろう。
目をまるくした、まるきり無防備なその様子――だが、少女を案じるよりも何よりも。
ぐるぐる回って木霊するひとつの言葉が、犬夜叉を占めていた。
――御母堂さま。
少女は確かにそう口にした。
耳慣れてはいないが、知らない単語ではない。
誰のかなんて訊くまでもなく、聞きたくもない。
呼ばれた妖は、ゆるりと顔だけで振り向いた。
「ああ、久しいな小娘」
言葉ほどの感慨もなく佳音が応える。
「えっと……あの時は、ありがとうございました!」
「ん? ――ああ、あれか。よい暇潰しになった」
整った横顔に意味ありげな微笑が浮かんだ。
「お礼も言わずに帰ってしまってすみませんでした。……本当に、ありがとうございます」
淡々とした口調を気にする素振りはない。
ぺこりと、少女は二度も頭を下げた。
どういう経緯があったのか、ふたりは面識があるらしい。
(なんなんだよこの状況……)
考えれば考えるほど判らなくなる。
そもそも考えたところで答えがあるのかも疑わしい。
動けないから見ることはできないが、後ろの三人もきっと同じような顔をしているだろう――いや、こいつらの場合面白がってる可能性のほうが高い。
なんだか頭が痛くなってきた。
あいつがいないのがせめてもの救い……と思ったら。

「何をしている」

来た。
来やがった。
そんな気もしたけどよ、ちくしょう。
間抜けに硬直している弟と人間らをまるで存在していないかのごとくきれいさっぱり無視して、不機嫌そうに殺生丸は立っていた。
ただし、しっかりとりんの前に立ち塞がっている。
彼女もようやく身体の向きを変え、犬夜叉からは対峙するふたりがちょうど鏡のように映るかたちになった。
こうして見ると嫌になるくらいよく似ている。
「相変わらず、まともに挨拶もできぬのか。小娘のほうがよほど弁えているぞ」
「こんなところに何の用だ」
さっさと帰れと言わんばかりの言い草に、彼女は悩ましげに袖を口許へあてる。
妙に空々しく見えるのは自分だけだろうか。
「退屈なのだ」
嫋やかな音が宙をたゆたう。
「近頃、退屈でかなわぬ。この母の無聊を慰めてみせよ、殺生丸」
「ふざけるな」
母。
その最も直接的な名の威力は凄まじく、とうに判っているはずの事実だというのに犬夜叉は眩暈を覚えた。
「親孝行という言葉を知らぬのか、そなたは。わざわざ下へ降りてきてやったのだぞ?」
「誰が頼んだ」
「……薄情なことだ。幼い頃の愛嬌はどこへいったのだか……」
愛嬌のある殺生丸。
しかも、子供の。
(――〜〜っ!!)
あまりに怖ろしい想像だった。
やめろ。やめてくれ。頼むから!
何か大切な、根幹にあるものが、まさしくがらがら音を立てて崩れてしまいそうな恐怖に襲われた犬夜叉の精神は極限を迎えつつあった。
そこにまた場と似つかわしくない、愛らしい声が響く。
「殺生丸さま、かわいかったんですか?」
横から顔を出した少女は至って平静である。
興味深げというか、わくわくしている節さえある。
慣れているのだろうか、その平静さを尊敬しながらも今ばかりはうらめしくもあった。
正直、これ以上は勘弁してほしい。
袖に隠れていた紅唇が、蠱惑に笑んだ。
「少し遊んでやればすぐ火がついたように向かってきたな。結果はいつも同じだったが、地に伏しながら牙を噛みしめて、射殺さんばかりに睨みつけて……それを見下ろすのは愉しかった。色々と趣向を凝らしたものだ」
あれほど可愛がっていたのに、とさも重たげに首を振って彼女は嘆く。
もうどこから突っ込めばいいのだか見当もつかない。
一体どんな趣向だったのか……。
先程とはまた違った怖ろしさに寒気がした。
「……いい加減にしろ」
次に鼓膜を震わせたのは重い重い低音。
発した主の眉根は深く寄せられ筋が浮かびあがり、今にもぴきっと切れてしまいそうだ。
荒げた口調ではないが、相当苛立っているのは誰の目にも明らか。
そりゃそうだろうな、と心中で頷く。
本人には口が裂けても言えないし殴られるだけだろうが、犬夜叉はこの時生まれて初めて、心の底から兄に同情していた。
子供の頃のことを暴露されるという、かなりの精神的苦痛のうえ相手がこれである。
何故か不意に、きらきらと輝く母の笑顔があざやかに思い起こされてしまった。
「気の短さも同じか。父上の鷹揚さに少しは倣えばどうだ。弟共々、変なところばかり似おって」
こがねの眼差しが自分へと向けられる。
急に話題に巻き込まれ、背景と同化しかけていた犬夜叉は焦った。
続いてもう一方もこちらに向き、同じ色の四つの目に晒される。
同情する余裕は彼方へ吹っ飛んだ。
これがいつもと同じ殺生丸だけなら簡単だ。
なんだよ文句あるのかよ、と喧嘩腰になればいい。
どうせ沈黙に耐えられなくなるのは犬夜叉のほうなのだ。
だがいかんせん、口すら動かせない状態は現在進行中。
押すことも引くこともできやしない。
居た堪れなさすぎる。

「――犬夜叉」

暢気に鳴く鳥の声が、青い空に間延びして消えた。

「それはなんの遊びだ」

(てめーの母親のせいだろうがぁああ!!)

血を吐く思いで叫んだものの所詮は心の中、兄へ届くはずもなく。
一向に突っかかってこず、仲間と一緒に不自然に固まったままの異母弟を殺生丸は訝しげに眺めていた。
ああ、とたった今気づいたと言うように彼女が手を打つ。
「そういえばまだ解いていなかったな」
指一本動かすわけでも文言を口に乗せるわけでもなかったが、ふっ、と身体が軽くなった感覚に縛めから解放されたことを知った。
反動で軽くたたらを踏む。
「……なんだよ」
最初に出た殺生丸への台詞はやはり憎まれ口で。
「きさまこそ、ここで何をしている」
返された台詞もまた変わりない、いつも通りのものだった。
――いや、言葉が返ってくるなど珍しい。
刀を抜かれなくなっただけで、会話らしい会話は滅多にないのが常だ。
表面上は涼しげだが、殺生丸もこの状況にいくらか調子を狂わされているのだろうか。
「ね、さっき聞いた?」
「うん、やっぱりそうなんだね」
「いや〜瓜二つとはこのことですな」
身体が自由になった途端、後ろが騒がしくなる。
抑えぎみに喋ってはいるが人間より聡い耳には丸聞こえだ。
犬夜叉は改めて正面に目線を据えた。
背後が気にならないではないが、それより先に確認しなければならないことがある。
「……さっきの話、どういうことだよ」
「何がだ。半妖」
「っだから、おふくろの顔知ってるって……会ったことあんのかよ?」
「ない。一度“見た”が、それがなんだ?」
至極あっさりした返答。
そこには感情らしいものを差し挟む隙間など一切無かった。
言葉に詰まり、犬夜叉は黙りこむしかない。
それがなんだと言われても困る。
なんとも、思わなかったのだろうか。
「……じゃあ、おふくろに似りゃ面白かったってのは……」
なけなしの意気込みをさらりと削がれ、結局矛先を変えるくらいしかできなかった。
「多少は遊べるかと思ってな。その点、この子はなかなか愉しかった」
――ソレハ、何ガ、ドウイウ風ニ?
思わず口の端が引き攣り、一歩後ずさってしまった。

「黙れ」

ぶわっと増した妖気に全身の毛が逆立つ。
見れば殺生丸の周りの空気が陽炎のごとく揺れている。
……違う、陽炎なんてものじゃない、これは炎だ。
立ちのぼる妖気が蒼白い炎となってめらめら燃えている。
怖い。
素直に、犬夜叉はそう思った。
おそらく最も触れられたくない過去のひとつであろう。
しかし彼女がその程度で怯むわけがない。
「母に対する態度か、それが。誰に似たのだ?」

(あんただよ!!!)

口に出す者はいなかったが、心の声が全員ぴったりと調和したのが判る。
例外がいるとすればひとりだ。
こんな中にあっても少女は、うろたえることも畏縮することもない。
度胸があるという部分ではかごめと少し似てるかも、などと感心していたら突然――気温が下がった。
実際には下がっていないのだろうが、少なくとも体感温度は極寒の雪山並だ。
それまでも居心地がいいとは世辞でも言えない雰囲気だったが、更に悪化している。
ぎぎぎ、とその源と思われる方向に首を軋ませた。
視界にいる殺生丸は、鞘に手をかけていた。
どうやら臨界点を超えてしまったらしい。
妙に落ちついた動作で一歩二歩と、間を詰めていく。
まずい。
「殺生丸! 待……」
決死の覚悟で羽交い締めを試みようとした犬夜叉が、寸前で止まった。
犬夜叉よりも先に背後をとった者がいたのだ。
それはもちろん、彼女以外にいない。
白くすべらかな手は鞘を持つそれを制し、もう一方の手の先は首筋にひたりと当てられている。
気配も何もまったく追えなかった。
「構えが硬い。この程度で隙ができるようでは、まだまだだな」
美しい爪が光を受けて煌めいた。
そういえば以前、冥加じじいに親父も毒を持っていたのか訊いたことがある。
答えは否――ということは、殺生丸は母親から受け継いだのだろう。
つまりあれも、毒の爪。
「どうした。吠えぬのか?」
本当にそっくりな、しかし表情は正反対の顔どうしが間近で火花を散らす。
“射殺さんばかり”に睨むとはこういうことなのか。
殺生丸もこれほど余裕をなくしたりするのか。
犬夜叉は感慨すら覚えた。

「……まあ、これでも多少は成長したか」
びりびり皮膚を刺す妖気が、ふと緩んだ。
掴めない微笑を浮かべながら彼女は軽やかに身を翻す。
「母とまた鬼事でもしたくなったら来るがいい。気が向けば付き合ってやろう」
逆巻く風に刹那、目を瞑る。
ひらいた時には既に残像さえなく。
嵐のような来訪者は、一人息子に抗弁の暇も与えてはくれなかった。
後には、まさに吹き荒ぶ嵐に翻弄されたかのような濃い虚脱感が漂うばかり。
かつてない疲労に打ちのめされた犬夜叉に気力はもう一滴も残っていなかった。
……殺生丸よりは、マシであろうが。
いつになく重い足を動かし、しみじみと声をかけた。
「おまえも、大変だったんだな」
返事はない。
でも腹は立たない。
不思議なことに、揶揄する気持ちはかけらも湧かなかった。
今の兄の心情は察するに余りある。
腹に穴を開けられるよりもよほどの――そうだ、これが、かごめの言葉でいうところの“だめーじ”というやつに違いない。
錯覚か否か、その表情はやや憔悴しているようにも見える。
そしてそれは自分にとって初めての、もしかしたら最後でもある殺生丸かも知れないのだ。
犬夜叉は、一瞬先の未来が判っていながら、それでも腕を伸ばさずにはいられない衝動に駆られた。
誘われるがまま、ぽん、と毛皮を纏うその肩に手を置く。

雲ひとつない澄んだ空に、ばきっと容赦ない音が響きわたった。



【終】


「小説」へ トップへ